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2022年度OLSP研究課題

OLSPでは2022年度に以下の2件の研究課題(データ公開型2件)を所内公募により決定し開始しました。研究実施期間は2022年12月からの1年間の予定です。


ゼブラフィッシュの成魚脳における遺伝子発現アトラスの公開

[カテゴリー] データ公開型

[研究実施者] 梶山十和子

[所属] 脳神経科学研究センター(CBS) システム分子行動学研究チーム

[研究概要] 脳神経科学研究において、モデル動物の脳内における遺伝子発現情報を網羅的に集積した発現アトラスの整備は研究を加速するために非常に重要である。現在までに哺乳類、鳥類などのモデル動物において、発現アトラスがWeb上で公開されており、多方面の研究に活用されている。一方で、近年神経科学研究に多く用いられている小型魚類ゼブラフィッシュにおいては、成魚の脳の発現アトラスは存在せず、早急な整備が望まれている。本研究では38種類の神経ペプチドおよび2種類の神経伝達物質マーカー遺伝子の発現をゼブラフィッシュの成魚の脳内でin situ hybridizationにより包括的にマッピングした。ゼブラフィッシュの脳は小型のため脳全体の連続切片を1枚のスライドガラスに載せることができる。結果のスライドグラスをデジタルスライドスキャナー(Nanozoomer HT, 浜松ホトニクス)を使用しスキャンすることで、効率的かつ高解像度で脳全体の発現データを得ることができた。これらのスライドグラスの画像データ(.ndpi形式)170個体程度分を活用しやすいデータベースとして公開することを目指す。


Riken MetaDatabase のネットワークグラフ可視化ツールの開発

[カテゴリー] データ公開型

[研究実施者] 加藤雅樹

[所属] 情報統合本部(R-IH) データ知識化開発ユニット

[研究概要] 現在、Riken MetaDatabaseには120を超えるデータベースが登録されている。Riken MetaDatabaseのデータベース間をグラフ関係で表示しており、データベース間を跨った横断検索をできるのが特徴である。RIKEN MetaDatabaseの最大の目標は横断検索を用いて理研内の研究者に有益な情報提供を行うことである。しかしながら横断検索を行う場合、SPARQL言語を使用して検索するがこれは一般の理研内の研究者には敷居が高い。そのためSPARQL言語を利用せずに検索できるツールの開発を試みている。ツールは各SPARQLをブロック化し、ブロックを組み合わせることで検索を可能にし、SPARQL言語が使用できない研究者にも既存のブロックを組み合わせるGUIを提供することも試みている。また、SPARQLで利用できるユーザーに関しては典型的なSPARQLクエリの例を提供することでユーザーの利便性を図ることも試みている。